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メダカの飼い方

●メダカを飼う前に…

日本の気候はメダカの飼育に適していると言われています。丈夫で育てやすいため、初心者でも飼いやすいのも特徴です。また、慣れてきたら繁殖をするという楽しみもあります。
メダカを飼うことが決まったら、まずは室内、室外、どこで飼育するのか、何匹くらい飼いたいのかを想定して準備をしましょう。

●水槽の設置場所

飼育容器に一度水を入れると、とても重くなり移動も大変です。あらかじめ水槽の場所を決めてからセッティングしましょう。
  • 日当たりの良い場所(直射日光が当たり水温が30度を超えると、メダカにとってストレスになり、コケが生えやすくなるので程よく日が当たる場所を選びましょう)。
  • 水換えがしやすい場所(メダカを飼い始めると定期的な水換えが必要になります。なるべく水道から近い場所に設置するのがおすすめです)。
  • 置き台や床の強度に注意(水槽はかなり重くなるので、台に載せる場合は強度をしっかり確認して。また、畳の上や天然のフローリングにじかに置くと床が傷ついたり凹んだりする場合もあるので要注意です)。

●用意するもの

まずは最低限必要な飼育容器、水、餌、底床を用意しましょう。水草やフィルターなどはあとから用意しても構いませんが、あると水槽内のレイアウトを楽しめたり、水をきれいに保ったりすることができます。
【最初に用意するもの】
  • 飼育容器(屋内なら、プラケースや金魚鉢など、屋外なら睡蓮鉢や発泡スチロール容器でも)
  • 底床(容器の底に敷くもの。砂利、砂、ソイルなど)
  • 水(メダカ一匹に対して水1? 水道水には塩素が入っているので天日に1日あてておくか、カルキ抜きで中和させる)
  • 餌(メダカ用と書かれているものなら何でもOK)
【あると良いもの】
  • 流木、水草(水草は光合成により酸素の供給源、メダカの隠れ場所や産卵場所にもなる。また、飼育容器内のレイアウトを楽しむこともできる)
  • フィルター(ろ過器。フンや食べ残しなどの汚れを分解してきれいな水に戻す。定期的な水替えの回数を減らすことができる)
  • エアポンプ(酸素を送ることでメダカの呼吸を助け、水の腐敗を防ぐ)
  • 照明(室内で飼う場合。光に当てるとメダカの美しさが増すうえ、メダカに朝と夜の変化をつけられる)
  • カルキ抜き(一日水を天日にあてる手間が省ける)

●用意するもの

飼育用品が整ったら水槽をセットしてメダカを迎える準備を始めます。
  • 水槽の底に敷く底砂を洗う。バケツなどに入れて水がきれいになるまでしっかり洗い、スコップなどを使って水槽の底に3〜5?程度敷いていきます。
  • あれば流木や水草をレイアウトし、フィルターやエアポンプをセットします。
  • 水を入れます(あらかじめ天日にあてた水を入れるか、ホースから水を注いでカルキを抜く作業を行う)。

●メダカを迎えたら

メダカをいきなり水槽内に入れるのはNGです。水温の急激な変化や水質の変化はメダカにとってストレスになるため、徐々に慣らしていきます。この作業を「水合わせ」と呼びます。
  • あらかじめ水を入れておいた水槽に、購入したメダカをビニール袋ごと30分〜1時間浮かべます。水槽とビニール内の温度が徐々に同じになります。
  • ビニール袋の口を開け、洗濯ばさみなどで袋を固定しメダカが外に出ないようにします。水槽の水を少しずつ袋に入れて水質を合わせていきます。この作業を袋の中の水と水槽の水が半々くらいになるまで2〜3回繰り返します。
  • 30分〜1時間かけて作業を行ったら、袋から水槽へメダカを放ちます。当日は餌を与えず、翌日から少しずつ餌を与えましょう。

●餌の与え方

餌は1日2回、3分以内に食べきるのを目安にすると良いでしょう。食べ残すほどの餌を与えてしまうと、残った餌が腐敗し、水質を悪化させてしまうため食べきれる量を与えることが大切です。「まだ食べるかな…」と感じるくらい、メダカにとっては腹八分目が理想的な量です。

●季節ごとの注意点


日照時間が伸びて、メダカが活動し繁殖の準備を始めます。まだ寒暖の差が激しい季節なので、水温が安定するよう日当たりの良い場所で飼育しましょう。


暑くなるので、水温・水質の変化に気を付けましょう。30度を超さないよう、置き場所を変えたり日よけしたりするなどの工夫を。餌をよく食べるので、食べ残しによる水の腐敗にも要注意です。また、水の蒸発も多いので減ってきたら水を足します。


涼しくなってきたら、食べる量も減ってくるので餌の量を控えます。水換えも夏に比べると頻度を減らして大丈夫です。


寒い地域では、メダカは活動を控えて水底でじっとして餌を食べないこともあります。水温が5度を下回ると冬眠すると言われています。水草をたっぷり入れて冬眠しやすい環境を作りましょう。日中の温かい時間にメダカが活動していたら少量の餌を与えます。

●季節ごとの注意点

メダカは飼育がしやすい一方で、水質や温度管理が良くないと病気にかかりやすくもあります。ここでは代表的なメダカの病気と対処法についてご紹介します。
  • 白点病
    (原因)
    水温の変化により起こることが多い。

    (症状)
    1mmくらいの白い点が身体やひれに現れる。体をクネクネさせたり、水槽に体をこすったりして身体を掻くようになる。

    (対処法)
    市販の治療薬(メチレンブルー、ニューグリーンFなど)を規定量入れて薬浴させると良い。
  • 尾ぐされ病
    (原因)
    カラムナス菌の寄生による。

    (症状)
    各ひれや尾が溶けるように短く、細くなる。尾ひれば短くなって泳ぎ方が変わるまでになるとかなり末期なので要注意。

    (対処法)
    感染力が強いので、ほかのメダカと隔離する。治療薬(グリーンFゴールドなど)を規定量入れるか、1%くらいの塩水のなかで様子を見る。
  • 水カビ病
    (原因)
    メダカ同士の身体の擦れ、容器や底砂にぶつけた擦れ、または体調の悪化による。

    (症状)
    ひれや頭部に傷ができて、血がにじんだようになる。そこから菌が繁殖し、白い綿のようなものが付着する。食欲も低下し、じっと動かなくなる。

    (対処法)
    ほかのメダカと隔離し、治療薬(メチレンブルー、ニューグリーンFなど)を規定量入れる。水温は27〜29度で安定させる。
  • 転覆病
    (原因)
    冬場の餌の食べすぎ、古い餌を食べて消化不良を起こした時、水温が25度を下回った時、水質が悪化した時など。

    (症状)
    腹部が異常に膨らみ、おなかを上にしてひっくり返っている。

    (対処法)
    感染するものではないので、隔離は不要。消化不良だと思われる場合は、絶食させる。しばらく水換えをしていないなど水質によるものなら水換えを行う。水温の低下によるものなら、ヒーターなどで温める。